フクロモモンガに利き手ってあるの?
2026/10/27
🐹フクロモモンガにも利き手はある?🐹
手の使い方を観察してみよう
フクロモモンガが食べ物を手に持つ姿を見て「いつも同じ手を使っている気がする」と思ったことはありませんか。人間の右利き・左利きほど明確ではありませんが、動物にも左右どちらかの前肢を使いやすい傾向が見られることがあり、専門的には「前肢選好」と呼ばれます。
🐹研究による裏付け
2013年にBMC Evolutionary Biology誌に発表されたGiljovらの研究では、飼育下のフクロモモンガ(オス12頭、メス11頭前後)を対象に、食べ物を取るとき、生きた昆虫を捕まえるとき、三肢で体を支えるとき、巣材を集めるときの前肢使用が観察されました。
その結果、メスは集団として左前肢を使う傾向が確認されました。一方オスは右寄りのわずかな傾向はあったものの、統計的に有意な集団的偏りは見られませんでした。ただし対象となった個体数は10〜12頭程度と限られており、飼育環境や個体差の影響も考えられるため、「すべてのメスが左利き」「オスには利き手がない」という意味ではなく、あくまで集団としての統計的傾向として理解する必要があります。
🐹 食事中の手を観察してみましょう
ご家庭で観察しやすいのは、食べ物を取る瞬間です。安定した姿勢で、手の届きやすい正面にある食べ物を取るとき、左右どちらの前肢を使うかを記録してみましょう。一度だけでは、たまたまその手を使った可能性があります。日を分けて20〜30回ほど記録すると、その子の傾向が見えやすくなります。
記録は「右」「左」「両方」「不明」の4つで十分です。スマートフォンで動画を撮り、あとからゆっくり確認するのもおすすめです。暗い時間帯に活動する動物なので、撮影のために強い光を当てたり、何度も同じ動作をさせたりしないようにしましょう。
🐹 食べ物の位置にも注意してください
食べ物が右側にあれば右手、左側にあれば左手を使いやすくなります。止まり木の向きやケージの壁、足場の安定性によっても使う手は変わります。比較するときは、できるだけ同じ食器・場所・姿勢で、正面から取れるように置くと偏りを減らせます。ただし、利き手を調べるために食事を制限したり、無理に手を使わせたりする必要はありません。普段の生活の中で楽しく観察しましょう。
🐹 片方を使わない場合は「利き手」と決めつけないで
いつも同じ手を使うからといって、必ずしも利き手とは限りません。反対側の前肢に痛みやけががあり、使いたくても使えない場合もあります。片方の手を浮かせている、握り方がおかしい、指が腫れている、爪や布が引っかかった形跡がある、歩き方が普段と違うといった様子があれば注意が必要です。急に片方だけを使わなくなった場合は、手足や飛膜を確認し、異常が疑われるときはエキゾチックアニマルを診察できる動物病院へ相談してください。
手の使い方を観察することは、食べ方や器用さだけでなく、その子だけの個性や体調の変化を知るきっかけにもなります。
参考:Giljov et al. (2013) BMC Evolutionary Biology「Forelimb preferences in quadrupedal marsupials」
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