すでにベタ慣れのフクロモモンガに接触トレーニングは必要?
2025/06/21
「お迎えしたばかりなのに、もうすでにベタ慣れ状態なんです」
そんな声をよく耳にします。
確かに、中には初日から手の中で眠ったり、ポーチに自分から入ってくるような子もいます。
そういった子たちは一見するとすでに慣れているのでトレーニングは必要ないようにも感じますが、安心してしまうのには注意が必要です🦘
今回は、「最初からベタ慣れな子」にも接触トレーニングが必要な理由と、その重要性について、専門家としての立場から詳しく解説していきます。
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最初から慣れている」は本当に安心?
赤ちゃんのフクロモモンガは、自我がまだ十分に育っていないため、誰にでも懐いているように見えることがあります。
これは「慣れている」わけではなく、「まだ警戒心を持つ前の状態」である可能性が高いです。
この状態で飼い主さんが「もう慣れてるから大丈夫」と思い、接触トレーニングや触れ合いをおろそかにしてしまうと、後々思わぬ問題行動につながる場合もございます。
モモンガはとても社会性が高い動物
フクロモモンガは、本来集団で生活する動物です。
野生下では親子・兄弟・群れ単位で密着して眠り、毛づくろいや身体の接触を通して社会的な絆や順位関係を築いています。
そのため、飼育下でも「触れ合い」や「スキンシップ」は、単なる人慣れや愛玩目的にとどまらず、モモンガ自身の社会的な欲求(=群れと関わりたいという本能)を発散する手段でもあります🦘
この「社会的な触れ合いの時間」が不足すると、モモンガは孤独感・不安・攻撃的な行動・無気力といった問題を抱えることがあります。
逆に、毎日少しずつでも接触の時間を設けることで、精神的にも安定し、飼い主との信頼関係も自然に育まれていきます。
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トラブルが起きやすい時期:生後6ヶ月〜1歳前後
実際に私が運営するモモンガの研究所では、これまでにたくさんの飼育のご相談を受けてまいりましたが、
「最初は抱っこできたのに、急に逃げるようになった」
「ある日を境に激しく噛むようになった」
と、いったご相談を多くいただきます🦘
これらの多くは、生後6ヶ月〜1歳頃に起きています。
この時期はちょうど、自我が形成され、モモンガ自身が「誰を信頼するか」「どこまで許容できるか」を本能的に判断し始めるタイミングになり、この時期から警戒心は上がりやすくなります。人間で言うところの思春期に近い状態ですね🦘
このとき、接触経験が少ないまま育ってしまい、「実は慣れていない状態」にあると触られることが怖い、距離をとりたい、といった自己主張が噛みつきや逃避行動として表れることもあります。
「接触トレーニング」は信頼関係の柱になる
このような事態を防ぐためにも、最初からベタ慣れのように見える子であっても油断はせず、毎日のコミュニケーションの積み重ねがとても重要です。
少しずつ接触の時間を増やしていくことで、信頼と安心をゆっくり築く事ができます。
こうした積み重ねは、モモンガにとって「人と触れ合うこと=安心できる時間」として記憶され、将来の安定した性格形成にもつながっていきます。
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実は「ジコ鳴きする子」や「ある程度警戒心のある子」のほうが安定しやすい場合も?
意外に思われるかもしれませんが、私の経験では、お迎え初日にジコ鳴きをしたり、すでにある程度の自我が芽生えていて軽く警戒する素振りを見せる子の方が、トレーニング後の性格のギャップが出にくい印象があります。
これは、「少し怖いけど、この人は大丈夫そうだ」と判断する過程を通して、モモンガ自身が自分の意志で“信頼すること”を学習しながら関係を築いていく様子が飼い主さんの目から見ても分かりやすく表れるからです。
逆に、最初からまったく警戒せずに触らせてくれる子は、「信頼している」わけではなく、まだ警戒すべき対象かどうかを判断できない未成熟な状態という可能性もあるため、時間とともに態度が変化しやすいのです。(もちろん幼少期よりトレーニングをしていてお店に出るころにベタ慣れになっている子もいますが、判断は難しいです)
まとめ:本当の信頼は、毎日の積み重ねから
フクロモモンガの接触トレーニングは、ただ人慣れさせるための手段ではありません。
それはむしろ、飼い主とモモンガが心を通わせるための基盤作りです。
さらに言えば、それはモモンガ自身の本能的な社会的欲求を満たすための、大切な営みでもあります。
野生では群れで支え合って暮らすモモンガにとって、飼い主とのふれあいはその代替となる関係性。だからこそ、日々の接触を通じて「この人といると安心する」「一緒にいたい」と思ってもらえる関係を築いていくことが、何よりも大切です。
焦らず、無理せず、少しずつ。
毎日の時間が、やがて一生ものの絆に育ちます🦘
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