フクロモモンガの育児放棄について その3
2026/09/18
🔶フクロモモンガさんの育児放棄③🔶
育児放棄や子食いを防ぐために飼い主さんができること
前回は、赤ちゃんが巣箱の外にいた時の対応についてお話しました。
もし赤ちゃんが巣箱の外にいたとしても、自分を責める必要はありません。
まずはお母さんのもとへ戻してみること。
それでも受け入れられない場合は保温を行い、人工飼育へ切り替える準備を進めること。
慌てず順番に対応することが、赤ちゃんを守るための第一歩になります。
では今回は、育児放棄や子食いを少しでも防ぐために、私たち飼い主ができることについてお話したいと思います。
まず最初にお伝えしたいのは、育児放棄や子食いの多くは、お母さんやお父さんが「悪い親だから起きる」のではないということです。
多くの場合、その背景には強いストレスや不安があります。
フクロモモンガさんは群れで暮らす動物ですが、出産や育児の時期になると非常に神経質になります。
特に初産のお母さんは、小さな変化にも敏感に反応します。
そのため、この時期に最も大切なのは「できるだけ触らないこと」です。
赤ちゃんが気になる気持ちはよく分かります。
無事に育っているのか、ちゃんと授乳できているのか、どうしても確認したくなりますよね。
しかし、育児中は人間が思っている以上にデリケートな時期です。
何度もポーチを開けたり、赤ちゃんを取り出したり、お母さんやお父さんを頻繁に触ったりすることは、大きなストレスになることがあります。
特に脱嚢前後は、必要以上の干渉を避けることをおすすめしています。
また、この時期はポーチの交換もできる限り避けたいところです。
普段は衛生管理のために定期的な交換が必要ですが、育児中だけは少し考え方が変わります。
ポーチの中には、お父さん、お母さん、赤ちゃん、それぞれの匂いが染み込んでいます。
その匂いは家族にとって安心できる目印でもあります。
ところが新しいポーチへ交換すると、その安心できる匂いが突然消えてしまいます。
人間には分かりにくいことですが、モモンガさんたちにとっては「知らない場所に引っ越した」くらいの変化として感じることもあります。
育児中は多少汚れていても、まずは家族の安心を優先してあげることが大切です。
そしてもう一つ大切なのが食事です。
育児中のお母さんは想像以上に体力を使っています。
赤ちゃんにお乳を与え続けるだけでも大変なエネルギーが必要になります。
さらにお父さんも、お母さんのグルーミングをしたり、一緒に子育てを手伝ったりするため、普段より消耗することがあります。
この時期は決して空腹にさせないことが重要です。
私たちも繁殖ペアを管理する際には、普段以上に食事量や食べ残しを観察しています。
主食をしっかり食べてもらうことはもちろんですが、おやつも普段より少し豊富に与えることがあります。
もちろん肥満になるほど与える必要はありません。
ただ、「お腹が空いている状態」を作らないことが大切なのです。
特に子食いは、強いストレスや極端な栄養不足が引き金になることがあります。
十分な栄養と安心できる環境があれば、防げるケースも少なくありません。
また、育児中はケージの移動や大掃除、大きな模様替えも避けることをおすすめします。
飼い主さんにとっては良かれと思って行ったことでも、お母さんにとっては大きな環境変化になってしまうことがあります。
静かで落ち着いた環境を維持し、家族だけの時間を作ってあげることが何よりのサポートになります。
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